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多重人格者との不倫を描く「プリズム」(百田尚樹)を読んだ

この前読んだ「モンスター」が面白かったので、引き続き百田尚樹氏の「プリズム (幻冬舎文庫)」を読んでみた。

  

プリズム (幻冬舎文庫)

プリズム (幻冬舎文庫)

 

 

ストーリーは、イマイチ夫婦関係が上手くいっていない若妻が、家庭教師のアルバイト先で出会った多重人格者と恋愛(不倫)するといった内容。

 

一応、本書は「恋愛小説」という紹介だったが、中盤までは多重人格者との不思議なやり取りがあるだけで、どこが恋愛なのかは後半部分に来るまで良く分からなかった。しかし、多重人格者の中の一人と恋愛に落ち、そして最後一気にたたみかける部分は圧巻。さすが気鋭の小説家と納得するようなスピード感があった。というか、百田氏は最後の人格が消えてしまうあの一連のシーンを書きたいがために、本書を描いたのだと思う

 

なお、多重人格者の中の一人との恋愛という時点で現実離れしているが、それ以上に無理だと思ったところが、主人公の女性が家庭教師先の家主から強姦されそうになったにもかかわらず、引き続きその家庭の家庭教師を継続したところだ。ストーリー上、ここで家庭教師を辞めていたらその後の展開がなかったので、仕方がなかったのかもしれないが、未遂とはいえ、一度襲われた男性のいる家に引き続き働きに行くなんて、主人公は頭のネジが飛んでいるとかいうレベルではなく、キチガイと言われても仕方がないのではないだろうか。要するに、女性の心理的なリアリティがなさ過ぎると思った。

 

そんな感想だけが残った小説だった。

 

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